50の手習い
高柳 馨 (弁護士)
50才を過ぎてから私の所属しているロータリークラブでお世話をしている中国人留学生の先生から中国語を教わるようになり、現在まで、5年近く中国語を学んでおります。
ここまで続いているのも、熱心に教えていただく中国人の先生と一緒に学んでいる仲間の皆さんのお陰であると感謝しております。中国語は全部漢字ですので入門はスムーズで、楽しく勉強してきましたが、最近、大きな壁にぶつかっております。というのも、勉強の励みにしようと思い、今年から中国語検定試験を受けるようになり、幸にも、3月に4級、6月に3級に合格して、いざ、11月に2級受験となったのですが、ここに大きな壁がありました。3級までは初級レベルで、テキストと付属CDを何冊かこなしておけば何とかなったのです(ヒアリングはヒヤヒヤでした)が、2級は全く歯が立ちません。初級レベルでは、限られた漢字を限られた用例で理解して聞き取れれば良かったのですが(例えば日本語で「私の家族は3人家族で、父は銀行に勤務し、母は看護婦で、私は大学2年生です」という程度の文章)、中級になると、日常的に使われている漢字や熟語を日常的に使われている様々な意味で理解することが求められます。日常的に使われている漢字や熟語、言い回しは膨大で(日本語と同じです)、ただでさえ記憶力がかなり落ちているのに、それらの複雑な語句や熟語を覚えて聞いて解らなければいけないのですから、歯が立たないのも当然です。
この初級と中級のギャップは非常に大きいと思いますが、少なくとも中級程度の語学力がないと話にならない(会話が成り立たない)わけです。極論すれば中国語を今まで学んだ意味がないのです。「中国語を学んでいる日本人はたくさんいるがほとんど初級者」と言われていますが、私もいよいよこの壁に直面したわけです。
そこで、何とかものにしようと、平日は2時間、休日は朝から晩まで10時間以上勉強したこともありましたが、今年の2級試験は惨敗(合格点70点)。教えていただいている中国人の先生に、2級試験のレベルはと聞いてみたところ、「中国人なら誰でも解ります、小学校2、3年生程度でしょうか」とのこと。中国人は天才です。
ここで諦めて引き下がるか、壁を乗り越えるためにばんばるか・・・。荊(いばら)の道ですが、司法試験に挑戦しようとしている法科大学院生の長女にいつも偉そうなことを言っている私としては、引き下がるわけにはいきません。そこで、長女に宣言しました。「パパが中国語検定2級に受かるのが早いか、●●(長女の名前)が司法試験に受かるのが早いか、競争だ」 と。と言いましても、長女の第1回受験は平成23年5月、いくら何でもその頃までには何とかなるのではとの思いで、今も中国語と格闘しております。