法テラス、いよいよ業務開始
高柳 馨 (弁護士)
本年10月に日本司法支援センター(通称「法テラス」)の業務が開始されます。 法テラスは、司法サービスを全ての人が受けられる社会を目指して、民事法律扶助業務、国選弁護業務、情報提供業務などを行います。 神奈川県には横浜市中区に地方事務所が、川崎と小田原には支部事務所がそれぞれ設置され、川崎では、JR川崎駅北口のイーストワンビル10階に約60坪の広さの事務所ができます。
民事法律扶助業務は、資力の乏しい方々が民事の司法サービスを受けられるように、無料法律相談を実施するほか、事件を依頼する際にかかる弁護士等の費用を立て替えます。 これまで法律扶助協会が行っていた事業を拡充するものであり、例えば、川崎ではこれまで各法律事務所で散発的に行われていた扶助相談や事件受任を支部事務所を利用して恒常的に行うことを目指していくことになっています。
国選弁護は、これまで被告人(裁判所に起訴された人)にのみ認められていましたが、本年10月からは殺人、強盗などの重大被疑者事件にまで拡大され、平成21年からは窃盗、詐欺などの比較的軽微な被疑者事件にまで拡大されることになっており、法テラスが、これまで各地の弁護士会が行ってきた国選弁護業務を担うことになります。 また、法テラスでは、国民の皆様に司法に関する様々な情報をお知らせすることや犯罪被害者支援などの業務も行います。
民事法律扶助や国選弁護は一面からいえば個々の弁護士にとってボランティア的な仕事であり負担になる仕事かもしれません。 しかし、司法サービスをあらゆる人が受けられる社会を目指すという法テラスの目的は立派なものと思います。 その一翼を担うことに誇りを感じて、微力を尽くしていきたいと思っております。