本年の抱負

山際 康太郎 (弁護士)

 初めてお会いした方に自己紹介をするときに自分の仕事が弁護士であると伝えると,専門分野は?という質問をされることが良くあります。正直,胸を張ってこれが専門ですと言える分野はなく,取扱い分野を限定せず幅広くどんな分野の仕事も受けていますと答えているのが現状です。しかしながら,5年後10年後に胸を張ってこれが私の専門分野ですと答えられるようになりたいとも思っています。

 そんな中,小学校の教員をしている方と出会い,教員の側に立って教員を守ってくれる弁護士が居ないという話を聞きました。このような出会いがきっかけで,教員の過酷な労働環境に関する報道や10年以上前に放映されたモンスターペアレンツを題材にしたドラマがあったことを思い出し,学校で生じる様々な問題について学ぼうと考え,子どもの権利委員会学校部会に昨年5月から入会し,学校問題について勉強を始めました。文部科学省が学校現場でのいじめや虐待に対応するため「スクールロイヤー」を全国に約三百人配置する方針を固めたとの報道もありました。スクールロイヤーは教育事務所などに拠点を置き教育委員会からの相談を受ける立場であるため,教員の側に立って教員を守る弁護士ではないですが,学校問題について学ぶチャンスがあればどのような形であれ積極的に携わっていきたいと思っています。

 また昨年は,他事務所の先生と共同受任させていただく機会があり,受任契約書や見積書の作成に関すること,依頼者への連絡に関する注意事項,打合せ時に意識すべきこと,交渉の相手方の人物像を知ることの重要性など様々なことを学ばせていただきました。本年も,所属事務所の先輩弁護士だけでなく,委員会活動や専門実務研究会の活動など経験豊富な諸先輩方と接する時間を大切にして,弁護士として一人の人間として成長できる1年間にしていきたいと思います。