時代祭

菊池 博愛 (弁護士)

 昨年10月に京都への出張がありました。最後に京都に行ったのは大学生のころでしたので約20年ぶりの京都訪問でした。ホテルの予約などをしている過程で出張中にちょうど時代祭が開催されていることを知りましたので、時間を作って見学しました。

 時代祭は葵祭、祇園祭と並ぶ京都三大祭のひとつだそうですが、私は葵祭と祇園祭は聞いたことがありましたが、時代祭は恥ずかしながら初めて知りました。

 京都市観光協会のホームページによると、平安遷都から1,100年目を記念して明治28年に桓武天皇を祭神として平安神宮が造営され、10月22日より10月24日にわたって紀念祭が盛大に挙行され、紀念祭の終わった翌日の10月25日に延暦から明治に至る千余年の文物風俗を模した時代風俗行列が行われたのが時代祭の発祥で、翌年の明治29年からは毎年遷都の日にあたる10月22日に行われているとのことです。

 行列は明治時代から古い時代に遡る順序で京都御所から平安神宮までを約2時間半かけて進むそうで、私は三条大橋の脇で1時間ほど見学しました。洋の東西を問わず外国人がたくさん見学していたのが印象的でした。私が見ることができたのは明治時代の途中から平安時代くらいまでで、吉田松陰、織田信長、楠木正成、紫式部、紀貫之といった歴史上の人物が登場してきました。「このような英雄、文豪たちが私が立っているこの場所をその昔歩いたことがあるのかもしれない」などと考えながら行列を見ていると、何とも言えない感動を覚えました。

 時代祭に大正、昭和、平成の人物は登場していませんでしたが、何百年後かの時代祭に登場することがあるとしたらどのような人物が登場するのでしょうか。今の時代を後世の人々はどのような歴史として評価をするでしょうか。などなど歴史に思いを馳せながら過ごした京都での数日間でした。