弁護士30周年
高柳 馨 (弁護士)
昨年、弁護士になって30周年を迎えました。年齢はあと1年で還暦です。私が信奉する聖哲のお言葉に「蔵の財より身の財すぐれたり、身の財より心の財第一なり」とあります。「蔵の財」はお金などの財産、「身の財」は健康や身に備わった技術、資格など、「心の財」は生命(いのち)に備わった宝です。
弁護士激増時代を迎え、数年前から仕事も収入も減りました。必要以上の「蔵の財」にはこだわりませんが、事務所や生活を維持するのに必要な「蔵の財」にこだわらなければならない時代になりました。初回30分までの法律相談料を無料にしたり、いくつかの広告も始めました。わずか13年前まで弁護士の広告が禁止されていたことが嘘のような時代になりました。
私も間もなく還暦、「身の財」特に健康の大切さを痛感しております。昨年、法曹同期の30周年の集いに参加しましたが、ほとんどの人がどこかしら健康を害しており、健康の話題で盛り上がりました。私は、6年前から週に1回、気功・太極拳の教室に通っていますが、未だ体重は80キロを下回らず、 無呼吸症候群のためシーパップという機械を付けて寝ています。昨年4月には様々な事が重なり、夜寝られず、1ヶ月で体重が5キロ減るなど、体調を大きく崩しました。
さて、「蔵の財」も「身の財」も必要なものですが、これらは「心の財」に支えられています。昨年4月、このことを痛感し、これまでの生き方、生活を反省し、「心の財」を積む生き方に大きく転換しました。以来、少しずつですが、毎日の生活、仕事が楽しくなり、「蔵の財」も増加し(これは言い過ぎでした、気にならなくなったというのが正確です)、体調も回復し、髪の毛も黒くなり(これも言い過ぎでした、染めたというのが正確です)、元気になりました。元気になりすぎて、昨年4月に75キロに落ちた体重が81キロまで戻ってしまい、健康のために、今、ダイエットを始めています。
今後も「心の財」を積む生き方を根本に、弁護士としても、人間としても豊かな人生を歩んでいきたいと思います。