司法研修所卒業10周年
菊池 博愛 (弁護士)
昨年9月に司法研修所卒業10周年の記念式典が熱海で開かれました。私が司法試験に合格した1999年(平成11年)は合格者が初めて1,000人の大台に乗った年なのですが、熱海の記念式典には600人くらいの参加者がありました。お世話になった教官の方々や懐かしい友人にも久しぶりに会うことができ、楽しいひとときでした。中には10年前と体型が変わってしまい、本当に同一人物か疑わしい人などもおりました。
さて、司法研修所卒業10周年ということは、私が弁護士登録して10年が経ったということにもなります。この10年を振り返ってみますと思い出に残る仕事がいくつかあります。中でも弁護士登録して初めての仕事だったにもかかわらずかなりの部分を任されることになった会社の民事再生事件は真っ先に思い浮かびます。刑事事件ではどのようなことがあったかと思い出してみますと、妻の不倫が許せず妻を殺害してしまったという殺人事件の弁護をしたことを思い出しました。あのとき両親が一度にいなくなってしまった子どもたちは今ごろどうしているだろうと思います。
そういえば弁護士になってすぐのころ、交渉の相手方に「あなたが本当に弁護士かどうか疑わしいから会う前に名刺をFAXで送ってくれ。」と電話で言われ、名刺のFAXでは弁護士であることの証明にはならないような気がすると思いながらもFAXしたことがありました。このようなことはあれ以来ありませんので、当時はよっぽど自信なさそうにしていたのでしょう。そのころから比べると私も弁護士として多少の自信がついたと思います。ただ、10年前と全く変わっていないのが身分関係です。9月の熱海での記念式典の際にクラス別の懇親会も開かれ一人ずつ近況報告をしたのですが、同じクラスにもまだ何人か独身の人がいましたので安心しているところです(「安心するな!」という声が聞こえてきそうです)。
20周年の記念式典は京都で行われるということでしたので、10年後に京都でみんなと再会するときまでには今回とは違った近況報告ができればなと思います。