入所して3か月
種村 求 (弁護士)
新年明けましておめでとうございます。
私が川崎総合法律事務所に入所してから3か月経過しました。
弁護士業務は,司法研修所で学んだ事柄だけでは到底対処できないことばかりで,日々悪戦苦闘しております。

いわゆる身柄事件(被疑者・被告人が逮捕・勾留されている事件)の刑事弁護においては,弁護士は,まず,当該被疑者・被告人に会いにいく必要があるのですが,その会いに行かなければならない場所がきわめて遠方であることもあります。 そのため,何度も被疑者・被告人と面会しようとすると,それだけで莫大な時間が取られます。電話一本で呼びつけることのできる検察官との違いを痛感します。
また,弁護士は,被疑者・被告人と被害者と示談するべく交渉する必要に迫られることがよくありますが,加害者の弁護人という立場にすぎないため,裁判官や検察官と違って,国家権力を背景としていません。 そのため,被害者の方にお会いして謝罪し,示談するということだけでも,大変な苦労をすることも珍しくありません。
特に,近時はプライバシー意識が高まっており,警察に問い合わせても,なかなか被害者の方の住所・氏名を教えていただけないということもあります。
そのような苦労は,ほとんどの事件で体験するため,正直大変だと思うことも多いです。
しかし,示談については,それを成立させることにより被疑者・被告人のためになることはもちろん,このような刑事事件の場が終わってしまうと,被害者の方は被害が残るばかりで,1円も貰えなくなることもよくあることからすれば,被害者の方のためにもなるものです。
このような刑事事件における示談の性質から,私は,示談を成立させることで,少しでも社会に貢献できたと思えます。 また,被疑者・被告人と面会して真剣に向き合うことで,少しでも被疑者・被告人の方が真摯に反省してくれたと思える,そういう瞬間に,弁護人として幸せを感じます。
このような刑事事件に限らず,私は,事件処理をしている中で,少しでも社会に貢献下と思えるような丁寧な仕事ができるよう頑張っていくつもりです。