中国の電動自転車事情など
高柳 馨 (弁護士)
私は、10月28日から31日まで、川崎市日中友好協会主催の旅行に参加し、中国の杭州市と紹興市に行ってきました。杭州市は人口950万人の大都会で、ビル建設が至る所で行われており、活気にあふれておりました。表紙の写真は、970年に創建された六和塔の最上階から、大河・銭塘江、大河に架かる1937年に建設された銭塘江大橋、そして対岸の杭州市のビル群を撮影したものです。
さて、町中で目を引いたのは、たくさんの電動自転車です。走っている自転車のうち、7~8割は電動自転車でした。ガソリンで走るバイクは大気を汚染するとの理由で市内での走行は禁止されているとのことでした。中国の電動自転車(フル電動自転車)は、アクセルレバーの操作で自走するもので、漕ぐ必要のある日本の電動アシスト自転車とは異なります。中国では、フル電動自転車の運転に免許は不要で、制限速度は時速15キロとのことでした。杭州市で宿泊したホテルの前の道路は、片側三車線ずつの広い車道とその両脇の自転車道と一番外の歩道に別れており、通勤時間帯には、自転車道をすごい数の電動自転車がビュンビュンと走行しており(と言っても音はしません)、歩道を歩いているとすぐ脇を電動自転車がかなりの速度で(到底15キロとは思えません)すり抜けていきますので、危険を感じました。ヘルメットをかぶっている人はほとんどおらず、2人乗りをしている人もおり、母親が子供を乗せているという光景も見ました。電動自転車は、新車で1台2千元(今のレートで約3万4千円)から3千元(約5万1千円)とのことで、現在でもすでに一家に1台位は普及しており、普及が進んでいるとのことでした。私は、普通免許はもともともっておらず、一時、原付免許を取って原付バイクを運転していたこともありましたが、現在は、免許を返上して、もっぱら電動アシスト自転車を愛用しています。私の自宅付近は山坂が多く、電動アシスト自転車でも大いに役立っておりますが、最近は年のせいで漕いで坂道を登るのが次第におっくうになってきており、その意味でフル電動自転車に魅力を覚えました。もちろん、フル電動自転車は日本では「自転車」ではなく「原付」でもありませんので、日本の公道を走ることはできません。しかし、中国でこれほど普及しているものですし、経済効果も大きいと思いますので、適切な法規制のもと、日本でもその導入を検討してはどうかと思いました。
さて、海外旅行で困るのは、余り大きな声では言えませんが、ウォシュレットです。今回の旅行で泊まった四ツ星ホテルにもウォシュレットはなく、アマゾンで購入した携帯用ウォシュレットを利用しましたが、携帯用のそれは思ったような機能がなく不便でした。ところが、11月下旬に合同事務所旅行で釜山に行きましたが、釜山で泊まったホテルはそれ程高級なホテルではありませんでしたが、立派なウォシュレットが付いており、快適であり、楽しい旅行となりました。ガイドさんに聞いたところ、韓国ではすでに家庭にも普及してきているとのことでした。文化の違いといえばそれまでですが、中国にもウォシュレット文化の普及を期待したいところです。