ロータリークラブと国際交流

高柳 馨 (弁護士)

 平成9年に川崎ロータリークラブに入会して15年目になりました。横浜市と川崎市とで2,590地区という地区を作っており、現在の会員数は、地区では62クラブ2,211名、川崎ロータリークラブの会員数は62名です。入会したときからみると、経済事情の悪化などにより会員数は2割以上減少しておりますが、ロータリークラブは、個人が孤立化を深める現代社会の中で、利害関係の伴わない異業種交流の場を作っている意味で、大きな役割を果たしているものと思います。ロータリークラブはさまざまな奉仕活動を行っていますが、国際交流の面では、ロータリー米山記念奨学会が留学生支援に大きな役割を果たしております。昭和29年に留学生の支援を始め、現在までに累計奨学生は121カ国、17,028名に及んでおり、日本で民間の奨学団体としては、最大のものです。本年度の奨学生は、825名であり、そのうち419名は中国人留学生、140名は韓国人留学生であり、累計では、それぞれ5,299名(台湾も含めると8,820名)、4,036名に達しております。米山記念奨学会の最大の特色は、単に奨学金を交付するだけではなく、お世話をするロータリークラブが決まっており、担当のロータリアンがカウンセラーとなり個人的にも留学生のさまざまな相談に乗る体制を作っている点が挙げられます。米山奨学生は、大学生、大学院生を対象とするものですが、高校生の留学を対象とする青少年交換制度(1年単位で地区で8名ずつを交換)や、ロータリー財団奨学生制度もあり、川崎ロータリークラブには、クラブ独自の奨学生制度もあります。また、留学生から学ぶ点も少なくありません。私の所属する川崎ロータリークラブでは、7年前から、中国人留学生を先生として中国語の勉強会を行っており、私も50才を過ぎてから中国語の勉強を始め、中国語検定の2級試験に挑戦(合格ではありません)するまでになりました。中国語は言うまでもなく漢字であり、発音はかなり異なりますが、日中で共通する漢字も多く、興味が尽きません。優秀な中国人の先生から、中国語のみならず、その文化や歴史、中国人のものの考え方を学べることは、大変に楽しいことです。最近、尖閣諸島や竹島をめぐり、中国や韓国とギクシャクした関係が続いておりますが、このような幅広い草の根の民間交流が続いていく限り、友好関係が復活することは間違いないものと思います。