かわさき子どもの貧困問題研究会の活動について

本田 正男 (弁護士)

 日常の弁護士業務の傍ら,「かわさき子どもの貧困問題研究会」というグループを立ち上げて継続的に活動しています(昨年は,お手製の地味なものですが,ホームページも立ち上げました。https://www.kenkyukodomo.com)。
 その活動は,2015年2月20日に発生した川崎の中学一年生の事件をきっかけに始まりました。困難な状況にある子どもや若者の支援はどうあるべきなのか,自分たち一人ひとりに何ができるのか,支援に携わってきたNPO法人,社会福祉法人,福祉事務所,児童相談所のケースワーカー,弁護士,家裁調停委員,市役所職員などの有志が集い,自主的な勉強会を続けてきました。
 そして,2017年3月からは,子どもの貧困問題をより広く多くの市民の皆さんに考えてもらいたいとの想いから,年に数回程度の頻度ですが(これまで8回)講演会やシンポジウムを企画開催してきました。詳しくは,https://www.kenkyukodomo.com/講演会-シンポジウム/ をご参照いただければと思いますが,昨年の例ですと,2月には,母子家庭の貧困の問題に焦点を当て,しんぐるまざーずフォーラムの赤石千衣子さんにご講演頂きだき,その際,併せて,川崎市のひとり親政策について,市のご担当の方にもご登壇いただき,資料とと共にご説明を受けました。さらに,9月には,元文部科学事務次官の前川喜平さんを講師にお招きし,貧困問題の究極の解決手段である教育の問題に焦点を当て,ご講演を頂いています。
 また,この間の講演会等の運営については,川崎商工会議所と共催させていただき,会場としてアクセスの良い商工会議所の立派な会議室をお借りさせていただいてきただけでなく,生活協同組合パルシステム神奈川ゆめコープの協賛でご援助を頂き,また,川崎市や神奈川県弁護士会の後援を受けて,活動の幅を広げています。ぼく自身は,最近では,貧困問題を考える中で,税や経済の問題や,経済理論にとても興味を持っていたりするのですが,いずれにしても,その時々の時代の風を受けながらも,一方では,専門家のお話を伺い,理論的政策的な面での知見を広げ,また,深めつつ,他方では,特に,川崎という地に根を下ろし現場で貧困の問題に取り組んでいる,気持ちを同じくする人たちとの絆を強め,異業種間にもネットワークを構築し,川崎発で子どもの貧困問題を少しでも改善していければと考えています。