いとしのiPad

若松 みずき (弁護士)

 この記事を書いている今、私はiPad2を買ったばかりで、この記事もアプリを使って書いている。基本的に私はアナログ人間で、法律相談でも接見でも、聞き取った内容は紙に書くことで記録に残すし、スケジュール管理も紙の手帳でやっている。締切、期限なども手帳に書かなくては忘れてしまうし、やり残しの仕事も大学ノートに書いては消し、書いては消し、という具合である。PCの画面上で見る文章はなぜか頭に入ってこないので、プリントアウトしてからでないと内容をうまく把握できない。致命的なのは、パソコンに向かってるとなぜか眠くなることである。

 したがって、私は、紙媒体をこよなく愛し、世の中に溢れているスマートフォンのような携帯電話やシステム手帳などには興味を示さなかったのである。

 とはいえ、弁護士業はかなり移動時間が多く、移動中に仕事がしたい、と思い、ネットブックを買ってみたりもした。しかし、起動が遅かったり、950gといえども重くて持ち運びが苦痛だったりして、いざというときに持ってきていないという事態が多くあった。

 そんな私がなぜiPadに手を出したかというと、この起動の早さ、この薄さ、小ささ、軽さ!である。 事件ファイルと事件ファイルの隙間にするりとさしはさめる薄さであり、カバーを開けた瞬間に起動するという早さなのである。電車に乗っているまさに隙間のような時間に、この事務所報を書くことができ、メールのチェックと返信ができるという素晴らしい機械なのである。スカイプというテレビ電話のようなことも無料でできるし、スケジュール管理もできる。今までのネットブックは、立ちながら片手で持っていると重くて手がしびれたりしたが、これは軽い。私が知らない内に世の中はどんどん進化し、便利になっていたのだ。これには驚き、感動した。

 使いこなすには時間と根気が必要な気はするが、この新しい相棒をたくさん可愛がって、 もっと速く仕事をこなせる様になりたいものである。そして、自由な時間を作ったら、この相棒で音楽を楽しんだり、ゲームで遊んだりするのが楽しみである。