NPO法人ダイバーシティサポートかわさきの活動について
弁護士 本田 正男
2020年1月発行の事務所報24号で、子どもの貧困問題研究会というグループでの活動について、書かせていただきました。
この子どもの貧困問題研究会では、2015年2月20日に発生した川崎の中学一年生の事件をきっかけに、困難な状況にある子どもや若者の支援はどうあるべきなのか,自分たち一人ひとりに何ができるのかを考え、定期的にシンポジウムなどを開催させていただいてきましたが、このような活動の延長で、2021年4月に、ダイバーシティサポートかわさき(以下、本稿では「DSK」と省略します。)というNPO法人を立ち上げました。
現在は、私は、同法人の事務局長という立場にあります。
ホームページにも法人の理念を謳っていますが、川崎にも、貧困と孤立化が広がる中、障がいや引きこもり、ニート、LGBT、外国籍など、個の多様性によって「生きづらさ、働きづらさ」を抱え、適切な支援があれば就業や自立が可能であるにもかかわらず、社会から取り残される深刻な実態が拡がっています。こうした事態の打開のため、法人では、取り組みの根幹に「ダイバーシティ経営推進サポート事業」を位置づけ、中小企業経営者の皆さんと連携・協働し、大きな流れを作ろうと考えました。
設立に際しては、当事者、家族をはじめ、なによりも、多様な人材を積極的に採用し、人を育て、人を生かす経営に取り組んでいる経営者(理事12名中6名が社長・会長)が参加し理念の実現をめざしています。
そして、上記のように、個の多様性によって様々な働きづらさ・生きづらさを抱える若者たちを支援するため、この間具体的には、①哲学のある経営者との出会いを大切に人と人をつなぐ就労・自立支援の援助事業(どちらかというと働く側の人の方からの個別のサポートですね。)、②一人一人が働きやすい企業へ経営を改善する取り組みを支援する経営・推進サポート事業(こちらは経営者側に対するサポートですね。)、③ダイバーシティ経営をより良くする取り組みである調査・研究・政策提言・情報発信等事業(こちらは学者の先生方とも協力し、当事者だけでなく、中長期的な視点で、全市民や行政にも響くような政策作りにを目指しています。)の3つの事業に取り組んできました。
法人では、今後とも、当事者の皆さんの期待に応えると共に、行政(川崎市)にも働きかけつつ、川崎の市民の皆さん、企業経営者、商店主の皆さんにも呼びかけ、ご協力やご支持をお願いしたいと考えています。今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします。