ひとり親家庭サポート団体全国協議会(JSPF)について

弁護士 本田 正男

 ひとり親家庭サポート団体全国協議会(英文名を「Japan Council for Single-Parent Families Support Organizations」、略称を「JSPF」)という特定非営利活動法人が活動を始めました(https://jspf.jp/)。

 厚生労働省が2021年に行った全国ひとり親世帯等の調査によれば、日本のひとり親家庭は、135万世帯ほどで、離婚や未婚での出産等を原因として、ひとり親家庭は増え続けています。

 他方、同じ年に行われた同じ厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、(全世帯でも、54.4%の生活意識が「苦しい」との回答で、すでに日本全体が尋常ではありませんが)特に、母子世帯では、41.9%が「大変苦しい」、44.8%が「やや苦しい」、合算すれば、86.7%もの世帯が「苦しい」と回答しています。また、上記のひとり親世帯等の調査 からは、経済的な問題に限らず、就労、生活、子育て、教育、そして社会からの偏見などさまざまな困難に直面している姿が浮かび上がっています。

 もう、何年も前のことになるのですが、私の事務所の数ブロック先にある競馬場が日曜日は市民に開放されているので、あるとき、事務所までお母さんにくっついて来ていた女の子に、公園みたいに遊べるから、良い天気で気持ちもいいし、よかったら帰りに行ってみないと話したことがありました。
 そのとき、その子は、反射的に、私に向かって、「そこは、いくらするの?」と尋ねてきたのです。私は、お金は要らないんだよと答えたのですが、未だ紐のない運動靴を履いているような年頃の子が青い空の下を駆けるのに、どれだけお金がかかるのかを気にしている様子が、唯々余りに切なく、胸を突かれ、今に至るまで忘れられない思い出の一つになってしまっています。

 JSPF では、ひとり親家庭を支援しようと思っている全国のみなさんが集まって、お互いの情報を交換し、よりよい支援を行い、ひとり親とこどもたちが生き生きと過ごせる社会を実現するため活動を展開しています。
 2025年9月時点で、すでに全国の38団体が参加していますが、私自身は、理事長の赤石千衣子さんにお声がけ頂き、この度JSPFの業務監事というお役目を仰せつかりました。
 JSPF の活動の柱には、団体支援と並んで、調査や政策提言を行ったり、人材育成を行うことも掲げられていますが、特に、今年は、新しく改正された民法(家族法)が施行されますから、日頃その壇上であれこれ論じている弁護士の一人として、共同親権制度に加え、養育費等についても新しい制度をこれからの実務の運用の中に適正に位置付けていく必要を強く感じています。