自動車の自動運転技術

弁護士 菊池 博愛

 少し前に国内の某大手自動車メーカーの最新自動運転技術をYouTubeで視聴しました。アメリカの一部の都市などでは既にスマートフォンのアプリで運転手のいない自動運転タクシーを呼ぶことができるようになっているということは知っていたのですが、国内メーカーの自動運転技術もかなりの精度になっていることに驚きました。
 ただ、「国内メーカー」とは言っても私が視聴した自動運転技術はイギリスの会社が開発しているAIを利用しているとのことで、純粋に日本国内だけで開発しているわけではないようです。

 このシステムでは10台を超えるカメラやレーダーなどで自車の周囲を360度認識し、前方の信号機、自動車、標識等は当然のことながら、周囲の自動車や歩行者の動きも0.1秒に1回の割合で認識・判断し、特に高精度の地図を使用せずに通常のナビと連動させて走行することができるということでした。
 また、イギリスの会社が開発したAIを使用しているとのことでしたが、日本の交通法規も既に充分学習させているということでした。
 このシステムを使ったデモ走行の動画は複数あげられており、私も3種類ほど見ましたが、中には横断歩道ではないところで歩行者が飛び出してきたり、自転車が信号無視をして進路を遮るように横切ったりするシーンもありましたが、即座に事故を回避する行動を取っており、平均的なドライバーよりも上手ではないかと思うくらいでした。
 また、かなりの雨が降っている中での走行もありましたが、雨による影響も特に問題はなさそうでした。

 印象的なものとして、二車線道路で右側車線を走行中に左側の車線から、高級スポーツカーがウインカーを出して割り込んでくるようなシーンがありました。このとき、自車
はスピードを少し落としてスポーツカーに譲っていたのですが、同乗していた開発責任者の話によると、「AIは常にどちらが優先かというのを考えながら走っているので、今のシーンは自車が優先であることは分かっていたはずである。したがって、スポーツカーに進路を譲ったのは自車が優先だけれども譲らないと事故になる可能性があるから譲るという判断をしたのかもしれないし、もしかしたら高級スポーツカーだから譲るという判断をしたのかもしれない」と話しており、とても興味深く感じました。

 AIは基本的に過去の膨大な運転データを収集して学習しているわけですが、過去に似た状況に遭遇した運転者がどのような思考過程で回避行動を取ったかまでは分からない部分もあるということなのかなと自分なりに理解しております。
 なお、この某国内メーカーでは、2027年くらいにはこの自動運転技術を搭載した自動車を一般販売をしたいと考えているとのことでしたので、価格がどうなるのかは分かりませんが、楽しみにしたいと思います。